会社を後継者に引き継ぐ際に重要なのが、「頼れる後継者を育成すること」です。
特に中小企業の場合、会社の命運は、経営者の腕にかかっています。
だからこそ、頼れる後継者を育成し、会社の経営を任せる必要があるのです。
ただ、業務内容や経営の仕方を闇雲に教えていっても、後継者はスムーズには育ちません。
逆に、無理な教育は、後継者の反発を招き、事業承継が失敗してしまうケースもあります。
では、どうすればいいのか?と言いますと…
実は、後継者を育成するには、重要な3つのステップがあるのです。
後継者育成のポイントは数多くありますが、主にはこの3ステップに沿って育成していくことで、後継者を育て上げることができるのです。
その3ステップとは、以下のようになっています。
順番に解説していきます。
まず始めに、会社の実務の力を身につける必要があります。
後継者として、ゆくゆくは会社全体を統括していく訳ですから、社内でどういった業務が行われているのか?を実地で体験することは、とても重要な事です。
(実地経験がないと、頭でっかちな経営者になってしまうこともあります)
一番簡単な方法としては、各部門をローテーションさせて、順番に経験を積ませることです。
例えば、営業スキルであったり、製造業であれば技術スキルを磨いていきます。
可能であれば、この段階で「営業でトップになった」など、何かしらの実績をあげると、社内の理解が得られ、社員との信頼関係が構築されやすくなります。
加えて、社内のみでなく、
など、社外でも経験を積ませていくことも重要です。
また、取引先への紹介も、この段階で行っておくのがベターです。
特に中小企業の場合、経営者の関係性で取引が成り立っていることも多々ありますので、早い段階で後継者候補を取引先に紹介し、信頼関係を築きましょう。
後継者候補も、取引先に紹介されることで、「自分は信頼されている」と感じ、経営者の自覚が芽生えてきます。
実務力が身についたら、次はマネジメント力です。
会社は、経営者の力だけでは回りませんので、チームとして機能させることが必要不可欠です。
Step1で、各部門のローテーションをしたことで、どういったマネジメントをすればいいのか?が掴めるようになってきます。
そこで、実際に人の配置や指示出しなどを行い、マネジメントを経験させます。
そして、ここで重要なのが、「マネジメントは、後継者1人の力だけでは成り立たない」ということです。
いくら後継者が頑張っていても、社内が付いてこなければ意味がありません。
ですので、会社全体として、後継者を支えていける組織にしていく必要があるのです。
最後のステップが、「経営力を磨く」ことです。
最も効果的なのは、経営幹部として、経営に参画させることです。
実際に経営の最前線に立つことで、成長が加速します。
経営に参画させることで、リーダーシップも発揮できるようになってきます。
また、会社経営に必須の「財務・会計」といった知識も、伝えていく必要があります。
以上の3つのステップを順番に実践していくことで、後継者をスムーズに育成でき、御社の事業・業界に精通していきます。
各ステップにかける期間や、何を伝えていくか?といった細かい部分は、御社の状況によって異なってきます。
事業承継完了までの期間や、後継者のこれまでの経験を踏まえて、状況に応じたやり方で進めるとよいでしょう。